女系天皇?

 『出口治明の0から学ぶ「日本史」講義』には満足できない。2頁に詰め込まねばならないので仕方がないのだろうが、説明不足が目立つ。

 

2017/05/25では、奈良時代は女性が活躍した時代で、そのロールモデル則天武后だとしている。

天武天皇以前では、豪族の合議により力のあるものを王族から選び大王にしていたが、持統天皇以降はそれが崩れた。

女帝が上皇になったり重祚をしたことを持って女性が政治的力を持っていたとしている。この見方は現在主流になりつつあるという。

説明不足だと思う。

1.女性が力を持ったという見方は現在のフェミニズム女系天皇容認派の見方ではないのか?

2.日本では女性の地位は低かったのか?主神は天照大神だよ。それに、神功皇后

3.持統天皇のおじいさんは蘇我氏蘇我氏が権力を握って、天皇の地位転がしをしたのではないのか?

 

「(女性である)元明天皇は715年には娘の氷高内親王に位を譲り、元正天皇が誕生しました。元正は女系です」とあるが、出口ってこんなレベルかよ。この後に「元正の父は草壁皇子であり」とある。おいおい、出口君よ、草壁皇子は皇太子だった(皇太子だったとされたという説もあり(Wikipedia草壁皇子」))御方ですよ。出口ちゃんは、もし、草壁皇子が即位なされた後に元正天皇が誕生しても「元正は女系です」と主張するつもりかね。

 

 「元正は36歳で即位するまで独身を守り、その後も終生独身を貫きました。これはいつでも登板できる天皇候補として、またその子どもが次の天皇候補とならないよう、備えさせられていたからだという見方もあります。」そういう見方は正しいが、詰めが足りないと考える。

元正天皇親王と結婚すればその子が天皇になっても問題はない。では、なぜ、独身だったのか?相応しい親王がいなかったのかもしれない。

ところで、元正天皇の祖父母天武天皇と母持統天皇はおじと姪の関係であり、父母の草壁皇子元明天皇は甥と叔母の関係にあった。親王と結婚、つまり、血族結婚は望ましくないが、他系と結婚すると女系天皇の問題が発生しかねないので、積極的に避けたという見方もできる。

 

出口という人はどっかの社長なんだって? ベストセラーの著者でもある。そのうちなんとか審議会に選ばれるのかなあ。でもこの程度の人なんだよ。