朝日 愛媛県加計記録の(正しい???)解釈
拙稿でも触れたように
愛媛県中村知事は
>「(国の)それぞれの関係部署にまたがる案件。複数の機関に熱意を伝えたり、説明に行ったりしないといけない。「4月の会議ではこんな状況になっているので、よろしく」という形で(メモを)使って置いてきた可能性は否定できない。」(https://mainichi.jp/articles/20180411/k00/00m/010/134000c)
と述べている。よって、農水省から当該メモが出てきても驚くべきことでは無い。(ちなみにこれは防衛省の日報問題の答えにもなっている。作成した部署が破棄してもコピーは残っている可能性もあるのだ。)
「首相案件」について、高橋洋一氏は、官僚は「首相」を使わず「総理」を使うと書いておられる。高橋氏に思わぬ援軍が現れた。石破代議士だ。代議士は
>「首相案件」ってのを、私も長く国会議員をやったり政府に入ったりしていますが、めったに聞かない言葉だ。(https://www.asahi.com/articles/ASL4B5KBFL4BUTFK017.html)
と述べている。
加計学園問題の発端となった文章でも「総理のご意向」や「総理からの指示に見えるのではないか」など「総理」が使われている。
よって、「首相案件」という言葉は愛媛県側で作られた可能性が高い。
ありそうな筋立てを考えてみる。
愛媛県今治市業者(加計学園)チームは午前に11:30に内閣府藤原次長に会った。藤原氏は柳瀬総理秘書官との挨拶程度の面会をセットアップしてくれていた。
15:00 チームは柳瀬秘書官と挨拶した。(私は高級官僚と挨拶をしたことはないので名刺交換をしたかは定かではない。していれば、チーム側から出ているだろう。)
柳瀬秘書官は急に面会を頼まれたものの状況に明るくない。そこで、
>・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。
>・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。
(https://www.asahi.com/articles/ASL4B5R7XL4BUTIL03H.html)
などとと、特に勉強せずとも出来る分かりきったアドバイスをした。
「内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」とは俺のところには来ないでくれの言い換えだろう。
もし、この様な挨拶程度の面談なら、柳瀬秘書官の記憶から抜け落ちても不思議は無い。
尚、メモには総理と加計学園理事長の会食での下村文科相の発言があるが、秘書官といえどそんなに細かい話を知っているのか疑問だ。
次の東京出張と上司報告のため、柳瀬秘書官の挨拶を膨らませた。(中村知事の発言は
・担当者は細かいことは覚えていない。
・担当者は真面目な人だ。
・メモに書いてあるのだから、そういう発言があったのだろう
(https://mainichi.jp/articles/20180411/k00/00m/010/134000c)
なので、柳瀬秘書官がそういう発言をしたとは断定していない。メモが膨らませてあるかもしれない含みを持たせている。)
そして、メモを出張先で撒いた。これまで十数回も申請却下されてるのだから膨らませ方は学んだはず。だが、官庁側も慣れっこになっている。その証拠に
>「引き継ぎで前任者から受け取った」と説明した。この前任者は文書を見た記憶がなく、入手経緯は分からないとしているという。(https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180413/mca1804131210021-n1.htm)
珍奇なものなら前任者が見た記憶がないとは言わない。「首相案件」は効果が無かったと言える。
(文中の肩書きは当時)