核武装で体制護持できるか 金正恩
「核武装した国家はアメリカに潰されない
核武装しようとして、潰されたまたは潰されかけた国の例としてリビアやイラン、イラクが挙げられた。潰されない国の例として支那、イスラエル、インド、パキスタン、南アフリカ、イギリス、フランスがある。
最初に、潰されない国を検討してみる。ここには四つのパターンがある。
1. 支那
支那は北朝鮮と同く国境線の変更を求める独裁国だ。潰されて当然なのだが、繁栄しているように見える。
支那が核武装した時は冷戦時代だった。ソ連は最初は支那の後ろ盾だった。支那への攻撃は米ソ戦を招きかねないことを恐れたのではないかと想像する。その後ソ支は対立した。敵の敵は味方という考えもあったのだはないかと想像する。毛沢東は、核戦争で数億死んでも平気だと嘯いた。当時の兵器技術が低かったために、攻撃は大量虐殺にならざるを得なかった。それに怖気をふるったのかもしれない。また、支那の国土が広大であるから撃ち漏らしを心配したのかもしれない。
支那がそれなりに理性的に振舞っていることにも留意すべきだ。
2.イギリス、フランス、イスラエル
アメリカの友好国であり、仮らの核兵器が自衛目的の抑止力であることは明らかだ。
また、理性的な民主主義国家だ。
3.インド、パキスタン
インドの核は対パキスタン、対支用の抑止力だ。パキスタンの核は対印用の抑止力だ。
イギリス、フランス、イスラエルとも共通するが、対米を目指さない相手限定の核戦力だ。
インドは核拡散をしようとはしていない。その点、パキスタンは北朝鮮と協力するなど怪しい点もあるが、バキスタンと北朝鮮は地理的には離れているので辛うじて合格なのだろうか?
また、インドは民主国家でもある。
4.南アフリカ
何をしでかすかわからない国々に囲まれた南アの自衛用の核戦力。投射能力が限られているのでアメリカの脅威とはならない。白人限定ではあったが、民主主義国家だった。また、テロリストを含むグループへの政権移譲時には核を廃棄する理性も示した。
纏めると
・支那のように手に負えないこと
・理性的な民主主義国家で、相手限定の核戦力で、アメリカヘの脅威ではないこと
が核容認の条件となる。
次に核武装が許されない国々、アメリカに政権を潰された国々を検討してみる。
1. イラン、イラク
独裁国家で国境線を求めていた。アメリカの友好国であるイスラエルの脅威になりかねない。イランが神権政治に移行し、周辺国に神権革命を輸出しようとして軋轢を招いていた。
2.リビア
核武装のニーズが分からない。カダフィの趣味なのだろうか。核拡散防止のために潰されたように見える。
纏めると
・独裁国家であること
・現状変更を求めていること
・核拡散ドミノ倒しを起こすこと
が潰される条件のようだ。
こうしてみると、独裁国家でも
a. 完全に国内を押さえつけて
b. 大量の難民を外に出さないようにして国際問題化せず
c. 国境線の変更を求めず
d. 核兵器を持とうとしなければ
潰されないのだ。
北朝鮮はa.からb.まで、c.も国境線変更は対支、対露、対米(下朝)戦となるので事実上不可能。よって、満たしていた。
核兵器さえ開発しなければ、体制は護持できたのだ。
北朝鮮について言われる「核兵器を持てば攻撃されない=体制護持できる」には疑問が出てくる。確かに核兵器を完成されせれば、潰されないかもしれないが、作ろうとすれば、潰される恐れがあるのだ。