米英仏シリア毒ガス制裁の裏の意味

米英仏が、同国民を毒ガスで殺傷したシリアを攻撃した。

 

シリアが本当に毒ガスを使用したのかには疑問を唱える向きもある。

例えば、今はシリア政府軍が有利だから敢えて毒ガスなんか使用する必要は無い、とか。

 

だが、英仏も攻撃に加わっている。英仏も独自に調査したであろうから、シリア政府軍が使用した可能性が高いと私は判断する。

 

また、アメリカがシリアを毒ガスを理由にして攻撃したのは北朝鮮への警告だと解説する人もいる。その理由はシリアの毒ガス工場は北朝鮮が作ったからとか、もしかしたら毒ガスそのものも北朝鮮が売ったから。

 

私の見方は上記北朝鮮警告より一歩踏み込んだものだ。

 

毒ガスは貧者の核兵器とも言われる恐ろしい大量虐殺兵器だ。

米英仏はこういう毒ガスの使用を許さないという意思を示したのだ。つまり、毒ガス兵器は使ってはいけない兵器だよ、と宣言する必要があったのだ。

だから、毒ガスを使用したのが、政府軍反政府軍のいずれであるのかは関係が無い。

 

北朝鮮は軍事技術を輸出している。北朝鮮の目玉商品は核技術、ミサイル技術、毒ガス技術だ。

いずれもテロリストには手が出しにくいもので、買い手となりうるのは政府レベルの組織。

 

米英仏は毒ガスを理由としたシリア爆撃で、北朝鮮の潜在顧客に警告を与えたのだ。

「使えない兵器を買ってもお金の無駄だよ」と。

 

北朝鮮のビジネスチャンスを潰すことが攻撃の裏の意味なのだ。