(#イケガMeToo)有本香に見る「池上彰子役やらせ」騒動と#MeTooの相似
池上彰には情報リテラシーが無いと度々書いてきた。
そんな池上彰の番組に、普通の子供という見せかけで出演した子供が、実は、「劇団ひまわり」等に所属する子役であることが判明し、問題となっている。
これに付随して、池上彰にネタだけ使われたという発言があった。私も、私も、と後に続いた。これが日本版#MeToo運動と揶揄されている。最近では#イケガMeTooとも呼ばれている。(2018/09/14追記)
この件に関し、有本香さんが次のようにtweetした。
「池上氏が番組のアンカー的役割だったこと自体は責められるべきとは思いません。それ承知でしかも「顔も名前も一切出ないネタ提供のみ」との条件に納得し報酬を受け取り仕事をした人たちが、後で「被害者」のようなこと言うのはむしろ変な感じがしますが。プロとして納得いかなければその場で断るべき。」
有本女史のtweetの経緯を詳しくは見ていないが、日本版#MeToo発言した人が報酬を受け取ったという情報は見当たらない。
有本発言で私が注目したのは次。
*「顔も名前も一切出ないネタ提供のみ」との条件に納得し報酬を受け取り仕事をした人たちが、後で「被害者」のようなこと言うのはむしろ変な感じがしますが。
放送業界も含めてマスコミには詳しくないが、マスコミは取材対象に一々金を払うのか?
今度街頭インタービューされたら、最後に「ギャラは?」と聞かなくちゃ。取材クルーが呆れた顔をしたら、「御社の商行為のために私の時間を使ったのだから、この取材が放送されなくとも、料金は発生します。」と主張するとしよう。
#MeTooを主導したイタリアの女優、アーシア・アルジェントが少年をレイプしていたことが発覚した。
彼女はセクハラをされたようだ。だが、必死の抵抗はしなかった。イったかもしれないが、警察には行かなかった。裁判も起こさなかった。代償として彼女は映画に出演した。結果として、セクハラをした人と顔を合わせる機会も多かったと思われる。会うたびに彼女は抗議をしたのだろうか。
結局のところ、アーシア嬢は出演料も名声も、さらにはその後のオファーも手にした。セクハラの補償は受けたのだ。だが、#MeTooを始めると偉いとアーシア嬢は褒められた。
有本女史も元祖#MeToo運動には違和感を覚えていたと記憶する。だから、今回も違和感を覚えても当然だ。
だが、彼女は重要な論点を見逃している。
有本女史の間違いは日本版#MeTooを元祖#MeTooと同じ構造と見做したことにある。
日本版#MeTooは、池上彰をはじめとする神格化された「権威」の化けの皮を剥ぎ、メディアの世論誘導を妨げることにある。
(文中敬称一部略)