初音ミクは髪が強調されているからOK キズナアイバッシングに見る無根拠論法
吉良貴之という人がキズナアイ バッシングに参戦され、次の発言をしました。
「 ドゥルシラ・コーネルのポルノグラフィ論によるならば、単に性的な特徴が描かれているかどうかではなく、そこに視線が集中する配置によって女性身体がパーツとして捉えられ、その統合性が破壊されるところにポルノの危害がある。なので、視線を散らす工夫があるかどうかはひとつのポイント。」
これを分解しますと
1. 仮説Aがある。
2. 仮説Aには「視線が集中すると危害がある」とされている。
3. よって、視線を分散させることがポイント
となります。
さてこれと同型の次のロジックはどうでしょう
K1. 吉良共産仮説がある。
K2. 吉良共産仮説には「金持ちがいると世の中は悪くなる」とされている
K3. よって、金持ちを皆殺しにすることがポイント
さて、本当に吉良共産仮説(K1)は存在するのでしょうか。
あるとして、吉良共産仮説は正しいのでしょうか。
正しいとして、「金持ちがいると世の中は悪くなる」は吉良共産仮説に含まれているのでしょうか(K2)。
含まれているとして、「金持ちがいると世の中は悪くなる」は正しいのでしょうか(K2)。
(ある説が全体的に正しいとしても、ミスが含まれてたり、受け取った側が解釈ミスや適用先を間違えるなどはよくあることです。)
正しいとして、その証明は実世界と整合性が取れるのでしょうか(K2)。
(「風が吹けば桶屋が儲かる」論法では実世界と整合性が取れません。)
整合性があるとして、金持ちを皆殺しにすれば、世の中は良くなると証明されているのでしょうか(K3)。
毛沢東という偉人(笑)がいました(K1)。
彼はスズメが稲穂をついばむことに着目しました。(K2)
立て、飢えたる人民よ、雀を捕まえよ、と命じました。(K3)
スズメは食べても美味しいしタンパク質の補給にもなるよと言ったとか言わなかったとか。
さて結果はどうなったのか。
スズメに食べられるはずの虫が生き残り大繁殖、稲穂を食い荒らしましたとさ。
吉良さんは法哲学をおやりになっています。この類の人は概して物事をシステム的に捉えることができません。ですから、上記毛沢東のようなミスを犯します。
もっとも、毛沢東という偉人(笑)も吉良さんと同レベルとは言い切れません。毛沢東は人民が何億人死のうと耐えられる人だったようです。勿論毛沢東ご自身は塵芥のような人民どもの一人ではなく、高貴な人民です。彼のスズメ捕獲の目的は政敵排除など他に真の狙いがあったのかもしれません。愛人がスズメが嫌いだったとか。