LGBT 同性愛嫌いにも権利を 繁殖戦略から見た同性愛嫌悪

人に限らず、生物は複雑なものだ。ちょっとした作用が生物の形態や性質にも変化をもたらす。

 

生物の形質を決めるものは

・遺伝子

・偶然も作用する環境における発生過程のエピジェネティックス

・栄養源などの環境条件

・「広い意味での文化」によるミーム

・経験

・これらの組み合わせ

などがある。

 

LGBTに含まれる同性愛がどのように発現するかは明らかにはなっていない。恒常的に発現しているのだから何らかのメカニズムがあるのだろう。

 

多くの動物に発情期があるのでヒトの祖先に発情期があったと仮定しても良いと思われる。

また、以下を仮定しても良いだろう。

・夫婦で子供を育てる。

・高々双子までしか出産しない。

 

発情期になるとヒトの祖先はより良い交接相手を探す。同性愛であるヒトの祖先も探す。

ヒトの祖先の同性愛カップルは、勿論、直接の子孫を残せない。

ヒトの祖先にもバリエーションはあるだろうから、同性愛に寛容な(バイセクシャルの)ヒトの祖先もいたろう。だが、彼女ら彼らは(彼女ら彼らの基準で)良い子孫を残せない。何故なら同性愛のヒトの祖先にかまけ続けるとそのシーズンは繁殖できないし、途中で同性愛のヒトの祖先を振っても(彼女ら彼らの基準で)良い繁殖相手は既に他に取られている。だから、子孫の生存率は低くなる。

 

以上からすると、同性に言い寄られた場合、排斥することが良い繁殖戦略となる。

 

すなわち、同性愛嫌悪(ホモフォビアレズビアンフォビア)は繁殖戦略からすると適切であり、しかも、基層に近い根深いものなのかもしれない。

 

幸いなことに、同性愛嫌悪の「本能」を新たに生み出す必要は無い。性交を邪魔するものを排除する「本能」に新たな対象を組み入れるだけで済む。案外ストーカーを厭う気持ちのルーツも同じ「本能」から由来するのかもしれない。

 

民主党政権により日本人はいわゆる「リベラル」に免疫がついた」と同じ意味で、

ヒトは同性愛嫌悪という抗体を得て同性愛に対する免疫ができた、と言えるのかもしれない。

 

ヒトが発情期を持たなくなった理由はわかっていないが、こんな仮説も考えられる。

女の繁殖戦略は「いい男を探せ」、男の繁殖戦略は「数撃ちゃ当たる」である。

いい男にあぶれた女の発情期が長くなれば、いい男が浮気をしてくれるかもしれない。サルも浮気した相手には援助を与えることは知られている。いい男も浮気相手に援助をするだろう。となれば、女もいい男の子孫を残せる可能性が高まる。

 

逆に、女は発情期を早めることにより、他の女を出し抜いて、いい男を青田買いできる。

 

男についても同様のことが言える。

その結果、長い発情期を持つグループの方が子孫を残す可能性が高まる。

 

ヒトの知能が高くなり、コミュニケーションが重要となると、性の価値も変わる。性もコミュニケーションツール、有り体に言えば賄賂として使えるからだ。実際ボノボは性をそのように活用している。

女は授乳期には妊娠しない。と言うことは、性をコミュニケーションツールとして活用できるのだ。勿論、夫の浮気を封じることにも使える。

 

性をコミュニケーションツールとして使うなら、バイセクシャルの個体は生存戦略や繁殖戦略面でも利益が得られる。バイセクシャルの女ボスや男ボスの歓心を買うことができるからだ。一般に、自分の繁殖相手に自分と同性の個体が接近することを嫌う性質があることを考え合わせると、上記は一層もっともらしく思える。