デフレのあだ花ワタミの渡辺美樹引退

自民党参議院議員渡辺美樹(59)が引退を表明した。

 

渡辺はワタミを創業した。創業資金は佐川急便のドライバーとして1年働いて得た。このころは景気上昇期だった。この体験が渡辺の限界を形作った。ワタミはデフレの波に乗り持て囃された。

 

ワタミが利益を上げる手段はブラック企業のそれだ。デフレになるとその手段は一層輝きを見せた(苦笑)。渡辺はデフレの寵児だったのだ。自民党の候補者になるにあたってブラック企業の会長という地位を憂慮する声が上がった。

 

気の毒なことに渡辺の応用力は少ないようだ。商学部出身、ミロク経理にもいたのだから、貸借対照表は読めたのだろう。だが、貸借対照表を国の財政に応用することはできなかった。これから渡辺には新しいものを作り出す才能が無いと推測できる。

 

更に気の毒なことに、未来予測能力も無かった。なんと、渡辺は安倍総理のデフレ脱却に自民党の一員として手を貸してしまったのだ!

デフレ改善に伴い、本業の業績は悪化した。結果、政治活動もおろそかになった。少なくとも、メディアへの露出は激減した。これが幸いしたのか、自身の大きなセックスを始めとしたスキャンダルは報道されなかった。

 

本業が傾いては渡辺も困る。そこでデフレを維持するための政治的動きもしてしまった。自民党の財務部会で日銀金融政策で「出口戦略」に口を挟もうとした。先に「貸借対照表を国の財政に応用することはできなかった」と記したが、もしかしたら、誤りかも知れない。国の財務状況に問題が無いことを知りつつデフレを再来させようとしていたのかも知れない。

 

渡辺は「私は経営者であり、売り上げが増えなくても潰さない会社をつくるのが社員や株主のためだ」と言っている。この言葉に渡辺の政治家としての限界を吐露している。

・経営難になった会社はリストラして生き延びられる。デフレ下ではリストラされた雇員は自殺するか、国のセフティーネットを利用する。だが、国はリストラできないのだ。

・競合会社が高成長している時、潰さない経営で良いのか? 渡辺は「経済成長しなかったら国は破産してよいのか。そんな崖っぷちの経営をすべきではない」と言った。支那の侵略の前にこんな対応で良いのか?

渡辺には国を見る能力が無い。

 

渡辺は自己評価を「0点。何1つ実績を残せなかった」としている。実に幸いなことだ。

 

(文中引用は『ワタミ創業者の自民・渡辺美樹氏が参院選不出馬、政権批判も』(https://www.sankei.com/politics/news/190213/plt1902130007-n1.html)より)

(文中敬称略)