小林節憲法学者の穴ばかりの沖縄県民投票論

憲法学者と称する小林節慶應義塾大学名誉教授がおかしなことを言い始めた。

・沖縄の県民投票の結果は憲法第95条に基づき尊重されねばならい。

・よって、政府は普天間から辺野古への基地移設を中止せよ。

(琉球新報 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-881682.html

(https://blogs.yahoo.co.jp/yuuta24mikiko/36873928.html)

 

まず、枝葉から。

 

小林は琉球新報によると

反対投票は43万票だから反対以外は70万人いることになるという考えについて、選挙と比較し、

「「先の衆院選小選挙区自民党小選挙区での得票率は47%余りで全有権者に占める割合は約25%にとどまった。それにもかかわらず約74%の議席を獲得した。安倍政権が県民投票の獲得票の割合が低いと言うのであれば自己矛盾になる」」(琉球新報)

と主張した。

衆院選挙は公職選挙法というルールに基づいている。公職選挙法では次のような宣伝活動は許されない。

https://pbs.twimg.com/media/D1LL7tQU8AAZe5n.jpg:large

(https://pbs.twimg.com/media/D1LL7tQU8AAZe5n.jpg:large)

ボギーてどこん様(https://twitter.com/fm21wannuumui/status/1104169092116766720)より引用。

 

反対投票を促す看板が(恐らく)公的施設である投票場に設置されている。まるで、北朝鮮など独裁国家の投票所だ。

 

釣り大会があるとしよう。ルールにより大賞は一番重い魚を釣った人に与えられる。

Aさんは20kgの魚を一尾だけ釣って大賞を獲得した。15kgの魚を三尾釣った節さんが「私こそ大賞に値する!!」、1kgの魚を十尾釣った小林さんが「俺に大賞をよこせ!」と主張しても二人は笑われるだけだ。

 

県民投票には法的拘束力が無いと報道された。また、政府は移設継続する方針も示した。結果としてサンプルにバイアスがかかり、例えば、高級ブランド店が来店者に実施するアンケートとさほど違わないものとなった。その高級ブランドに縁が無い私の意見は反映されない。選挙と県民投票を同列に論じるのは無理がある。

 

次のアンケートが来た。

「このアンケートには法的拘束力はありません。あなたは貧困家庭を支援したいと思いますか?」優しい私は「はい」と答えた。次の給料から5万円が貧困家庭援助税として天引きさた。

天引きされることが分かっていたら「はい」と答えただろうか。

 

また、支援の形にも色々ある。支援=金銭的支援 ではない。県民投票の結果から小林が望む結論は得られない。設問は適切では無いからだ(下記E.参照)。

 

小林が論拠とする憲法第95条は以下。

「第九十五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」

小林の論理は以下。

1. 移設は一つの地方公共団体のみに適用される特別法に準ずる。

2. 移設は県民投票で、投票の過半数の同意を得られなかった。

3. よって移設は中止だ。

 

小林の論理の欠陥を指摘する。

A. 基地移設は「一の地方公共団体のみに適用される」か?

 普天間の基地には

「(1)オスプレイの運用 (2)空中給油機の運用 (3)緊急時の外部からの航空機受け入れ」(琉球新報 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-884134.html)の3機能がある。

(2)、(3)機能は岩国など本土へ移す。

よって基地移設は「一の地方公共団体のみに適用され」ない。従って憲法第95条は適用できない。

 

B. 「一の地方公共団体

憲法第95条には「一の地方公共団体」とある。一つの都道府県としていない。市町村も地方公共団体だ。小林が辺野古の住民の投票を主張しないのはなぜだろう?

 

C. 沖縄振興特別措置法、アイヌ新法

沖縄振興特別措置法は実質沖縄のみが対象だ。アイヌ新法は実質北海道のみが対象だ。アイヌ新法はアイヌだけが不当に利益を得る事実を広く報道すれば過半数の同意は得られないかもしれない。 沖縄振興特別措置法は過半数の同意は得られるだろう。だが、小林の論理なら沖縄振興特別措置法、アイヌ新法も住民の同意を得なければならないが、小林は住民投票実施を主張していない。何故か?

 

小林は、政府が地方をいじめてはいけないというのが憲法の趣旨だと主張する。同意できる考えではある。だが、政府はある地方を特別に優遇すれば、他の地域へはいじめとなる。よって、沖縄振興特別措置法やアイヌ新法も施行してはいけないことになる。沖縄振興特別措置法やアイヌ新法も国税が使われる以上、地方公共団体の意見だけでなく国民の意思を問う必要があると私は考える。

 

実際のところ、基地移設により、小林の言うところの政府による地方のいじめは軽減されるのだが。

 

 

D. 基地移設は「一の地方公共団体のみに適用される」のか?

基地移設は日本全体の防衛に関わる。よって「一の地方公共団体のみに適用される」とは言えない。

 

E. 埋め立て反対は基地移設反対と同値か?

ボギーてどこん様の写真から分かるように県民投票というアンケートの質問は辺野古埋め立ての賛否を問うものだった。

ローラという、もしかしたら、日本の租税を逃れを企てているタレントがいる。自然を大切にする彼女はホワイトハウスの署名サイトで辺野古埋め立て反対署名するよう呼びかけた。同じく環境問題を考えるQueenのブライアン メイさんもそのように訴えた。

二人の影響は大きい。基地移設賛成だけど、埋め立てには反対という人もいるだろう。小林が弄ぶ、埋め立て反対と基地移設反対派同値という主張は論理学的に破綻している。

県民投票というアンケートで分かるのは埋め立ての賛否だけで、基地の移設の賛否では無い。小林は、わざと、二つを混同している。

県民投票というアンケートから導き出せる解決策は、既出だが、埋め立てではなく、陸上に滑走路を作るか、メガフロートを設置するかだ。

 

結局のところ、玉城デニーくんは知事という立場で沖縄県という公的機関を利用して5.4億の金をプロパガンダに費やしただけだ。

 

F. 「その過半数の同意」とは

小林は「「(略)棄権した人は、投票に行った人の結果に従うというのが法的評価だ」」と主張している。憲法第95条は「住民の投票においてその過半数の同意」が法律制定の条件としている。ここで問題となるのは「その過半数の同意」だ。過半数とは投票の過半数なのか、住民の過半数なのか、明確では無い。投票率1%で過半数をとったとして、果たしてそれで決定できるのか。そもそも、県民投票には法的拘束力が無いとされた。小林は後出ししていると非難されても仕方がない。

 

こんな非論理的な小林節氏でも憲法学者と認知されることは驚きだ。