毎日、安倍首相が司法権を犯したと怒るも、論理破綻に気付かず

毎日新聞の岸達也記者が

安倍晋三首相が11日夜のテレビ朝日系「報道ステーション」の党首討論で」

籠池泰典被告(64)について「詐欺を働く人物」と述べた」(https://mainichi.jp/articles/20171013/k00/00m/040/053000c)ことに言いがかりを付けた。


言いがかりの正当性を示すため、岸記者は郷原信郎(ごうはら のぶお)弁護士の以下の発言を利用した。


郷原信郎(ごうはら のぶお)弁護士は、安倍総裁の発言は「「司法の独立を侵す問題発言だ」と批判している。」


その根拠は以下。

1.「首相は行政府の長として、刑事事件で検事総長に指揮権を発動できる法相の任免権を持つ。」

2.「刑事事件では推定無罪の大原則がある」

3.「籠池氏は起訴されたが黙秘しているとされ、公判も始まっておらず、弁明の機会がない」


そして

結論. 「行政の最高責任者が起訴内容をあたかも確定事実のように発言するなど司法の独立の観点からあってはならない」

としている。


さて、記事の問題点を取り上げる。


まず、3.の黙秘と弁明の機会について。

記事では意図的に籠池夫のみをとりあげている。妻も同じく逮捕されていることを忘れてはいけない。

妻は「補助金でお父さんちょっといじくってたんですよ」と調査に来た複数の国会議員(しかもその中には弁護士資格を持つ者もいる)と報道機関の前で自供しています。

そうそう、夫のほうも「私自身100パーセント清廉潔白とは言えません」と白状しちゃいましたね。

彼らは、弁護士資格を持つ者も含まれる複数の国会議員と報道機関の前で、くっちゃくっちゃ十分に弁明してますよ。


次に司法の独立について。


私は三権の長とは、立法権衆議院議長参議院議長、行政権の内閣総理大臣司法権最高裁判所長官と勉強しました。

1.で言及しているのは検事総長検事総長最高裁長官は同じじゃあありません。そもそも、検察は行政権に含まれます。総理が捜査をしっかりやれと言ったら、それは、司法の独立を犯すことになるのでしょうか。


1.では検事総長-法相-首相の3階層が述べられています。なぜ、そこで止めるのでしょう。国民は選挙を通じて首相の任免権を持っています。郷原論理からすれば、国民が籠池は「詐欺を働く人物」と言ったら、「司法の独立を侵す問題発言だ」ということになるのでしょう(笑)。

ですが、児島惟謙の伝統を受け継ぐ日本の裁判所は、韓国のそれと違って、国民の発言なんざあ戯言と無視するでしょう(韓国並の裁判官が散見することに危惧を覚えますが)。


2.の推定無罪。これを発言したヤメ検郷原弁護士は法曹界の人です。しかも彼は「刑事事件では」と限定しています。Wikipediaの「推定無罪」を見ると、法曹界では推定無罪とは「「検察官が被告人の有罪を証明しない限り、被告人に無罪判決が下される(=被告人は自らの無実を証明する責任を負担しない)」ということを意味する(刑事訴訟法336条など)」や「有罪判決が確定するまでは、何人も犯罪者として取り扱われない(権利を有する)ことを意味する」です。

安倍総裁は「「詐欺を働く人物」」と述べただけで、「詐欺罪で有罪な人」とは言っていませんね。詭弁?(笑)


ここまで私は安倍首相ではなく、安倍総裁と書きました。

ちょっと話題を変えます。タクシードライバーが勤務時間外に泥酔して自分の車を運転して事故を起こしました。タクシー会社に法的責任はあるのでしょうか?


安倍総裁が出た番組は「「報道ステーション」の党首討論」。首相討論でも首相-党首討論でもありません。そして岸記者も党首討論という言葉に異を唱えてはいません。

この夏、防衛大臣が、自衛隊自民党候補を応援している、と発言して問題となりました。行政権が中立を守らず、特定政党の候補を応援することで、立法権に干渉したからです。

岸記者は安倍さんが討論の中で自民党の応援をしても、他党を批判しても「行政が立法の独立を侵す、問題発言だ」とは批判していません。

すなわち、討論会での安倍さんの立場は総裁であり、首相ではない、すなわち、「行政の最高責任者」ではないことを岸記者は認めているのです。

ならば、行政権が「司法の独立を侵す問題発言だ」とは言えません。

ですから、首相が司法の独立を犯したと騒ぐなら、それはダブルスタンダードとか、浅はかと謗られます。

貧すれば鈍する。きっと安倍叩きに夢中で毎日の整理部も記事の論理破綻を見逃したか、あるいは見逃すよう圧力をかけられたのでしょう。

おや、この記事は岸達也記者の署名入りですか。毎日の意図は、「浅はかなのは岸達也だけ」なのでしょうね。


岸達也さん、ご同情申し上げます。


落たレべルが落魄に拍車をかけてますよ。ご注意を。>毎日新聞殿