池上彰の率と量を混同したウソ

以下によると次の会話があった。

(twitter.com/Yuu14Sunplas/status/1036269085909078016)

 

番組参加者「メキシコからアメリカに不法侵入してくる人も多いし、それによって犯罪率も上がってくるんすよ。」

池上彰氏が答えて曰く(ファクトチェックをしてみたら)「不法移民が(ママ)そんなに犯罪が多いわけではない。」

 

彰クンが嘘を言っていないと仮定する。

 

データを根拠にしているので、一見、彰クンの主張が正しいように見える。けれど、どうも実感とズレがあるような気がする。

 

もしかしたら、彰クンは誤魔化しをしているのかもしれない。

 

出演者が犯罪率といってしまったのが、彰クンを図に乗らせたのだろう。

 

こんな例を考えてみよう。国境の都市YNがある。人口は100万人で犯罪率を10万人あたり10としよう。

YNに不法移民10万人が押し寄せてきた。上記記事のコメントには、この時点で10万件の犯罪が発生したと突っ込まれているが、それは置いておく。彰クンは「不法移民がそんなに犯罪が多いわけではない」と言っている。「そんなに」とはどれほどなのが定かではない。甘くして、不法移民の犯罪率は10万人あたり11としよう。

するとYNの10万人当たりの犯罪率は

(100万×(10/10万) + 10万×(11/10万)) / (110万/10万) = 10.09 

となり、1%も増えていない。

 

あれ、彰クンが正しいのかな?

 

都市の人口が多ければ犯罪数も多くなる。都市間の比較をするためには10万人当たりの犯罪数がしばしば用いられる。ズル賢い彰クンはここに目をつけて誤魔化しをした。

 

都市あたりの犯罪率を見てみる。不法移民が来る前は100で、不法意味が来た後だと111で1.11倍になっている。

不法移民が来たからと言って繁華街の大きさが急に大きくはならない。繁華街で犯罪被害者になったり目撃する可能性は1.11倍になるのだ。

 

よって都市あたりの犯罪率で見れば出演者の発言は間違っていないし、生活実感に合う。

 

彰クンが誤魔化しテクをNHKに広めたのか、NHKで学んだのかは定かではないが、彰クンの視聴者を騙すテクニックは見事なものだ。