乳房縮小術コメントにみる偏見
『ヴァティカンの正体』筑摩新書/岩渕潤子 @tawarayasotatsu様が乳房縮小術について一連(*!)のtweetをされました。
一つはアメリカの
<十代の女のコが巨乳で毎日男子生徒にジロジロ見られ、学校に行くのが苦痛で鬱になって、毎日自殺を考えていたので>乳房縮小術を受けたと言うもの。
もう一つの
<英国では「胸が大きいばかりにバカ女の役しか得られない」という女優さん>の例を出し、
<近年、乳房縮小術は世界中で大きな関心を集めるようになっている>
とするもの。
<十代の女のコが巨乳で毎日男子生徒にジロジロ見られ>る、を考えてみます。
人混みの中で、胸から上がそびえ立っている人がいたら、男女を問わず見ると思います。乳房だからではなく、基準外だから見られるのでしょう。また、<十代の女のコ>を<ジロジロ見>るのは<男子生徒>だけでしょうか?
確か、『巨乳はうらやましいか?―Hカップ記者が見た現代おっぱい事情』(スーザン セリグソン(著), 実川元子 (翻訳) 早川書房 2007/10/17)だと思います。セリグソンさんもHカップ。一族が皆巨乳。一族も含めた悩みを吐露されていました。下着探し、手術など。そして、ついには、場所によっては猥褻物陳列罪のような法に触れる、街頭で乳房を露出する写真を撮ってもらい、彼女は悩みから解放されたと記憶しています。この本には写真が収録されていません。けれど写真家の名前から検索すると彼女(か同類)の写真がありました。おデブさんでした。もしかしたらその<十代の女のコ>はおデブさんで巨乳だったのでは?もしかしたらその<十代の女のコ>はおデブさんだということに目を瞑って、巨乳だけを意識したのでは?
『ヴィクトリアン・レディーのための秘密のガイド』(テレサ オニール 東京創元社 2019)でオニールさんはボッティチェリの『ヴィーナス誕生』のヴィーナスの乳房を
<「ヴィーナス、お気の毒さま-そのちっちゃい乳房はボッティチェリの役に立ったのかもしれいけれど、ケロッグはあなたがなにをしているのかお見通し。」>(p298)
と貧乳をくさしています。(因みにヴィクトリア時代はマスターベーションを女性がすると乳房が成長しないと医者も信じていたそうです、オニールさんによると。)
ヴィーナスの乳房から、欧米でも巨乳化しているようです。
日本でも昔と比べると売れるブラジャーのカップサイズはAからC、Dへと変化しています。
巨乳の人が増えれば、乳房を小さくしたいと言う人の数は増えるでしょう。だから、
<近年、乳房縮小術は世界中で大きな関心を集めるようになっている>としても、それは当然のこと。
『ヴァティカンの正体』筑摩新書/岩渕潤子 @tawarayasotatsu様さんは性的含みをもたせているように見受けられますが、実態は、大きすぎる乳房による肩凝りなどや美的アンバランスが世界中で乳房縮小術に大きな関心を集める原因でしょう。尤も、「世界中で大きな関心」は言い過ぎでしょう。
(*1
<だから・・・アメリカのドキュメンタリーで、十代の女のコが巨乳で毎日男子生徒にジロジロ見られ、学校に行くのが苦痛で鬱になって、毎日自殺を考えていたので、親がお金を出して、外科的乳房縮小術を受け、初めて笑顔で好きな服を着て外出したという話を繰り返しています。>(4:27 - 2019年10月27日)(https://twitter.com/tawarayasotatsu/status/1188416819947638786)
<近年、乳房縮小術は世界中で大きな関心を集めるようになっているので、この機会にそういう選択肢があるということを、若い女性に知らしめるのは良い機会かもしれません。英国では「胸が大きいばかりにバカ女の役しか得られない」という女優さんによる深刻なドキュメンタリーもありました。>(5:41 - 2019年10月27日))