算数ができない文春コロナ記事はお笑いと化す

 

週刊文春(2020/11/26)が『冬コロナ緊急事変』を載せた。サブタイトルには

 

菅放言録「GoTo継続は当然」「専門家は慎重すぎる」

「五輪は観客入りでやる」天敵小池と手打ちの宴

最多更新兵庫県知事”スナック飲み会”を直撃

 

とあり、政府批判の姿勢が窺える。

 

政府批判も結構なのだが、算数ができない者の発言を紹介しているので記事の信頼性が失われている。

問題の発言は新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーの経済学者小林慶一郎くんの発言だ。繰り返すが彼は経済学者だ。

 

政府は2020/11/13に国会で

・GoTo利用者は4000万近い。

・利用者のうち感染者は138人に留まる。

と発表した。文春は書く。「この数字を鵜呑みにすれば感染率はわずか0.0003%だ」。

林慶一郎くんは

「『観光庁が出した138人という数字は全体像を捉えていない』という意見は分科会でも出ていました。必ずしも、GoToで起きた感染を全部拾えているわけではありません。感染が起きていないと印象付け用とする数字です」と(文春によれば)述べた。

 

138人が全体像を捉えていないとしよう。実際はその100倍いるとしよう。それでも感染率は「わずか」0.03%だ。

仮に800倍いるとしよう。それでも感染率は(預金金利はより高いが)「わずか」0.24%でしかない。

 

GoToキャンペーンは07/22から開始された。国会答弁があった11/13までの感染者数は88,389人(両端入れ)(https://www.mhlw.go.jp/content/pcr_positive_daily.csv)。

138×800=110,400人となってしまう。さしもの小林慶一郎くんや分科会メンバーでも実際の感染者数より多い110,400人がGoToで感染したとは主張しないだろう。

 

(文春が発言を誤魔化していないとして)小林慶一郎くんのセンスを疑ってしまう。ちなみに小林慶一郎はWikipediaによると東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(数理工学専攻)。同時に文春の記事のクオリティを嘆かざるをえない。

林慶一郎くんの発言の前に

菅首相は個人的に岡部氏の意見ばかり聞いて、分科会の議論を尊重しないように映ります。」と分科会メンバーが文春に「訴えた」とそうだ。どうやら、林慶一郎くんクオリティが分科会の標準のようだ。菅総理が分科会を軽視しても当然と感じてしまうのだ。