池上彰が「統計のウソ」を語ると扇動になる #イケガMeToo (中編)

週刊文春2019/02/07の池上彰氏のコラム『池上彰のそこからですか!?』では『[「統計でウソをつく方法」とは]』と題して厚労省の統計ミスを扱った。前半についての論評はこちら

 

池上のコラムは2ページ。後半の見出しは『多くの未払いが発生』。

 

池上は失業した人を想定し、「「あのとき、もう少し給付金があったなら……」という悔しい思いがあるでしょう。」と義憤に駆られてみせる芸を披露した。

 

ところで。

「一円を笑う者は一円に泣く」という言葉は傾聴しなければならない。

とは言うものの。

お釣りでもらった1円が見当たらなくとも「まあ、いいか」で済ます。1円を落とし、離れたところに転がって見失ったら諦める。

だが、1万円札だったら?

 

確かに未払いは総額としては多額だ。「追加支給はのべ1900万人以上、総計560億円程度となる」(高橋洋一  2019/02/05 https://t.co/cr5ysAcvib)

この情報は早い時期に出ていた。

 

このコラム前半で池上は計算能力を披露してみせた。では、何故、

560億円÷1900万人

を池上は計算しないのか?

 

計算してみると2947円になる。なるほどね。

 

対象人数の約3/4を占める失業保険。これの支給期間は条件の悪い障碍者ですら最長360日。会社都合で退職した45歳以上60歳未満で勤続20年以上で最長330日。最短は90日。

支給期間を8ヶ月とすれば不足分は月400円にもならない。池上の論に反して「あのとき、368円余分に給付金があったら喫茶店へ行けたのに」と悔しがる人は少ないと思う。

ボーナスを除き、諸手当込みの月収30万円の人の失業手当は約15万円。貰えなかった368円は2%強。これは生死に関わる金額だ!!

 

因みに2%は前編で私が示した統計ミスで生じた誤差見積もりと奇しくも(!!)一致する。

 

国会質問では次の見積もりが示されている。

https://pbs.twimg.com/media/DymrwOTUYAATMBl.jpg:large

(Mi2@YES777777777様より引用 https://twitter.com/YES777777777/status/1092593894716370944)

(金額が多い対象者群もあるが、給付額もそれに応じて多いことに注意。)