池上彰の教育勅語批判におけるズル
週刊文春2017/03/30の『そこからですか!?』で池上彰は、
戦前は教育勅語があったから道徳観念に優れていたということは誤解だ、
と言っている。その例として、戦前は親殺し子殺しが横行していたし、殺人事件の比率は現代よりはるかに高かったと書いている。そして『「教育勅語があったから」という論理はデータの前に通用しません』と結論づけている。
だが、そうなのか?
池上は道徳の例として殺人を挙げている。道徳は殺人だけなのか?勿論違う。例えば交通道徳もある。教育勅語が教えられていた戦前だと交通事故は圧倒的に少なかったのだ。
賢い皆様は上記の交通事故原因の欺瞞に気付いたと思う。そう、車の台数の方が道徳教育よりはるかに大きい影響力を持つ。
殺人における道徳より強い影響力はなんなのか?
私は豊かさもその一つだと思う。
池上彰様ともなれば「衣食足りて礼節を知る」という言葉をは当然知っていよう。もっと下賎な「金持ち喧嘩せず」も。知っていて読者をミスリードするような文を書くのなら、ジャーナリストではなくデマゴーグだ。
更に、池上はデータの比較でズルをしている。データの比較は同じ条件で取られたデータでなければ意味がない。北海道の複数の男子高校と沖縄の複数の女子高校の水泳の速さ比較して北海道の方が速かったとしよう。このことから、あなたが池上彰でない限り、「寒い地域の方が速く泳ぐ、きっと水が冷たいから早くプールから上がりたいからだろう」という結論は出さない。
(閑話休題)
それに、データから見ても池上ちゃんの主張にはおかしな点があるよ(笑)。
(『昭和51年版 犯罪白書 第1編/第2章/第1節』https://www.google.co.jp/#q=殺人事件%E3%80%80推移+戦前
より引用。グラフは人口補正をされていない)
昭和7~30年を見るとV字を描いてる。昭和7、8年ごろをビークに20年に向かって下落している。これは教育勅語が浸透した効果ではないのか(笑)。
その証拠に教育勅語の箍が外れた20年以降は急増しているでしょ!(笑)。
この急増の原因には朝鮮人、朝鮮戦争難民、米兵、共産党のテロなども考えられる。
戦前、殺人件数が減った原因の一つとして壮年男子が徴兵されたこともあるだろう。
昭和29、30年以降の減少の原因の一つには北朝鮮人に対する帰国事業や朝鮮戦争難民が帰国したこともあるだろう。
前に私は豊かさが殺人に影響力を持つと書いた。ちなみに経済白書が「もはや戦後ではない」と書いたのは昭和31年である。
(文中敬称一部略)