先の見えない音喜多駿『三枚舌、小池知事は最大の反面教師』(月刊Hanada 2017/12)
月刊Hanada 12月号に、表紙によれば90ページの、『総力大特集 小池劇場は終わった!』が載ってます。開票前に企画され、執筆されたので仕方がないですが、扱うべきは立憲民主党と、開票結果を知っている私は考えました。
特集は力作ぞろいですが、音喜多駿都議の『三枚舌、小池知事は最大の反面教師』は。
同文を読んで見えてくるものは、先見の明を欠くこと、頭の悪さ、反省の浅さや、現状把握ができていないこと、思考の核の欠如など、音喜多都議の資質の低さです。
例えば、小池体制がブラックボックスで情報公開もしていないと批判をされ、
「もちろん、ワンマン体制を敷き、スピーディな意思決定を行うことで都民に利益をもたらせるのであれば、それもまた一つの考えでしょう」
と留保を付けています。
私は、ここに音喜多都議の現状認識の甘さを見てしまうのです。彼も気づいているように、都民ファースト(トイチ)は民進と素人の寄せ集めです。希望の党同様やっつけ仕事の産物で、まともな政策もそれを推進する力もありません。小池百合子首領様の威光が無ければ、そして、「このハゲー」の豊田真由子落選者などを利用したマスコミの自民叩きがなければ、都民ファースト候補の多くは落選していました。事実、「このハゲー」直前の世論調査では自民がかなり盛り返していました。
更に都民ファシストに、宗教ファシスト政党なのに節操が無い、公明党が加わり、分け前を最大化しようとています。
小池首領様にしてみれば、トイチ任せにしたら何も進まない。仕方がないからワンマン体制を取らざるを得ない面もありました。音喜多都議はそこに気づいていらしゃらない。勿論、私も、小池首領様が、政策立案能力皆無の、無能で、体質は自分ファースト、有能な子飼いの手下も払底していることを否定するものではありません。
音喜多都議は
「豊洲移転のプロセスに重大な瑕疵がいくつもある」
と書いています。都民ファシシストはその名に恥じない吊し上げをなさいました。その結果は
「都庁の職員にも共有されてないかったことが、水面下の密約のような形で進んでしまう。極めて不透明な実態があったことを掘り起こしことについては、意義はあったと思います。」
徳川家の100万両が埋まっているはずと遺構を掘り返したみたけれど、出てきたのは二朱銀数枚、どうやら、それらは越後屋の落し物、と言ったとこでしょうか。
音喜多都議も正直です。吊し上げの結果の貧弱さを、「成果があった」ではなく、「意義はあった」という言葉で認めています。
音喜多都議はLVMHで7年の社会経験を積んだと筆者紹介にあります。
社会人にしては、費用対効果を知らなすぎます。知っているなら「吊し上げの成果の有無なんかどうせ報道されない。吊し上げているところがTVに出れば私の宣伝になるのよ」という小池首領様の思惑を批判しなければならなくなるはずです。
音喜多都議の感覚のズレにも驚きました。
「都知事就任当初の小池知事には都政に対する熱意はあったと思っています。」
あれ、そうなの??と思ったら
「ただしそれも、都議会議員選挙まで。議会には自民党という”戦う相手”がいたからです。」
あらあら、音喜多クン、それは「都政に対する熱意」ではなく「自民に対する闘志」と言うんじゃないのかな。
「受動喫煙防止条例も、これまでであれば、業界団体や自民党の反対で通らなかったでしょう」
と書いてありますが、これは、この前段の「良くも悪くも、小池都政になってから都政は大きく動きました」の「悪くも」の方ですね。都民ファシストの本領発揮ですよね。
ですが、都政は「大きく動きました」か?
豊洲は?オリンピックは?待機児童は?道路は?
音喜多都議の大小感覚も異常のようです。
「しがらみのない、勢いがある知事だからこそできた政策もあります」
と書いています。では、「”密室”」での決定や、人事、外部から来た顧問の重用は?
人のしがらみは無視し、自分のしがらみは重視する姿勢だと思います。確かに、子飼いの手下や昔からの兄弟分はいないので、しがらみの数は少ないでしょうけど。
小池首領様に大切ではないと判断させてしまう一文です。
(「一文銭」と「一つの文章」をかけてみました。)